親子三代にわたってのおつきあいも。
津軽塗を今に伝える信頼関係を土台に。


2017年で70周年を迎える恵比須屋、その歴史を支えてきたのは、津軽塗職人との信頼関係です。今も職人への直接依頼が中心という昔ながらのスタイル。「この津軽塗は恵比須屋にしか出さない」という方や、親子三代にわたってのおつきあいが続く工房などなど。そのお気持ちに感謝しながら店を続け、現在に至ります。

職人の方々と恵比須屋を深い絆で結ぶ共通の想いは、「津軽塗がいつまでも残ってほしい」という強い願い。親から子へ伝統的な技術を伝え、若い感性を取り入れて、次の時代へとつながる新しい津軽塗を創りあげる職人。高い技術力で、繊細な作業の数々を一人で丁寧にこなし、昔ながらの手間と時間をかけて本物を創り続ける職人。

職人の仕事に向かう姿は、真っ直ぐで清々しく、こうして生まれた津軽塗のひとつひとつを、暮らしの中でいつまでも愛用してくださる方へとお届けしていくことが私たちの使命だと感じております。

高度な技術を持った津軽塗職人は、高齢化もあり、年々減っているのが現状ではありますが、恵比須屋も、若い職人を育てる一助になるよう力を尽くしてまいります。

 

右)松山継道
昭和32年生まれ・弘前市在住。1975年、18歳の時に父・末久(伝統工芸士)に師事、漆芸の道へ。日本伝統工芸新作展(日本橋三越)に1985年より21回入選、日本漆芸展(池袋西武)に1986年より19回入選、日本伝統工芸展(日本橋三越)に1991年より13回入選、1994年に日本伝統工芸新作展にて日本工芸会賞受賞、1996年には弘前市にて初個展を開催。1997年には青森県教育委員会より芸術文化奨励賞を受賞。現在、日本工芸会正会員。

左)松山 昇司
昭和56年生まれ・弘前市在住。弘前工業高等学校インテリア科を卒業後、山形県の東北芸術工科大学芸術学部美術科に入学、2004年に同大学漆専攻を卒業。2005年、津軽塗技術研修所に入所するとともに、父・継道氏に師事。静寂(しじま)塗りを祖父・末久氏、竹村氏に師事。伝統技術を学びながら、若々しい感性が光る作品を次々と創り出している。
 

藤田 功
1958年生まれ・弘前市在住。1976年、高等学校卒業後に『久保漆器』入社。その後『遊工房』を経て、『イシオカ工芸』に約8年在籍したのち独立し、現在に至る。唐塗と紋紗塗の塗り分けなど、高度な技術を必要とする津軽塗が特徴。最初から最後まですべて一人で仕上げるため、工程一つ一つに職人技が光る。陶器製造に携わった経験もあることから、従来の技術と手法を越えた“陶器への塗り”など、新しい津軽塗に挑戦し続けている。
 
夏次郎商店
2006年にこぎん刺し作家として夏次郎商店立ち上げ。2016年の個展を機に雑貨制作を休止し、鼻緒を中心とした制作へシフト。以後、左右ばらばらデザインの「ちぐはぐ鼻緒こぎん」をメインに、デニムにも合う普段使いの鼻緒を鋭意制作中。「甘すぎず、渋すぎない、男子の日常に溶け込むこぎん刺し」をテーマに、オーダーメイドを中心に制作している。
http://kogin-natsujirou.tumblr.com/